ワークエンゲージメントとは
健康経営とも関連性の高い「ワークエンゲージメント」が、働き方の多様化や働き方改革、生産年齢人口の減少を背景に最近注目されています。
ワークエンゲージメントとは「従業員が仕事に対してポジティブな感情を持ち、充実している状態」です。
「熱意・没頭・活力」の3つがそろった状態がワークエンゲージメントだと定義されています。
*参照:厚生労働省HP
ワークエンゲージメントが高い人は、心身ともに健康で、仕事や組織に積極的に関わる傾向があります。その結果、生産性が高く、良いパフォーマンスが発揮できます。
ワークエンゲージメントが低いとどうなるか?
ワークエンゲージメントの対概念は「バーンアウト」、燃え尽き症候群です。
働くことに疲弊し、仕事への興味・関心や、自信、熱意が低下し、仕事に対して否定的で、活動水準が低い状態、つまり生産性が下がっている状態です。本人も非常につらい状況です。
企業がワークエンゲージメントの向上に取り組むことで、従業員のバーンアウトを防ぐことができます。
また、ワークエンゲージメントの定義の1つにある「熱心に没頭して働く」状態は「ワーカホリズム」の概念と共通しますが、「ワーカホリズム」は脅迫的に働くのに対し、ワークエンゲージメントが高い人は、充実感を覚えながら働くという大きな違いがあります。
ワーカホリックは、I have to work (働かざるをえない)
ワークエンゲージメントは、I want to work (もっと働きたい)
働く動機が根本的に異なります。
仕事が楽しく、やりがいがあるからもっと働きたいのか、仕事のことが頭から離れず職場を離れると罪悪感や不安があるため、働かざるをえないのか。両者のうちどちらが健康的なのか、中長期的に良い結果を生み出せるのか、は述べるまでもないでしょう。
ワークエンゲージメントを高めるには?
ワークエンゲージメントを高めるには、仕事の資源、個人の資源という2つの要因に着目する必要があります。どちらの資源も密接に関係しているため、仕事の資源を充実させれば個人の資源も充実していくような好循環を期待できます。
仕事の資源 ー働きやすい環境
仕事の資源とは過度な業務量や労働時間を削減する、裁量権を増やすなど、従業員にとって働きやすい環境を整えることでワークエンゲージメントが高まる要因のことです。
具体的には、正当な評価基準の設定、キャリア開発の機会などが挙げられます。ストレスチェック制度も有効です。
個人の資源 ーストレスなくポジティブな心理状態で働ける環境
個人の資源とは、ストレスを軽減しモチベーションをアップするための、個人がもつ内的要因を示します。
「仕事への自信(自己効力感)」「自尊心」「ポジティブ思考」などが個人の資源に当たります。 個人の資源を充実させるためには、従業員が仕事を「やらされている」のではなく「自らやっている」と主体的に捉え、やりがいを見いだせる環境の整備が重要です。
具体的には、仕事の権限移譲を行い主体性を促す、社内公募制を導入し従業員の希望に合ったアサインを行う、知識やスキルを学ぶ場を用意する、などが挙げられます。
なお、仕事への自信、自己効力感は、ワークエンゲージメントを高める個人の資源として大きな影響力があります。自己効力感を高めるには、ストレスに対処するスキルのほかに、仕事をうまく進めるスキルにも注目する必要があります。例えば、タイムマネジメントスキル、コミュニケーションスキル、問題解決スキル、目標達成スキル、などです。
これらのスキルを高めることで、仕事に対する自信が高まり、ワークエンゲージメントの向上につながることが期待できます。
ワークエンゲージメントを高めるためには、いきいきと働ける職場づくりが不可欠ですね!
仕事に対する自信、がワークエンゲージメント向上の大切なキーワードです。
ポジティブな心理状況を生み出せるよう、自己研鑽できる環境を整えると良いですね。