広報に活かす健康経営 -社内編-

社内広報に活かす健康経営健康経営推進

健康経営の推進時には、視野を少し広げて「社内広報」も意識して実践することをおすすめします。
「エンプロイーリレーションズ」とも呼ばれる社内広報は、企業と従業員間のコミュニケーションを通じて企業理念や経営方針などの企業の価値観を共有し、絆を深める取り組みです。

社内広報を行う際のコミュニケーションの手段としては、主に
・イントラネット・社内報・社内SNS・社内イベント・掲示物

が挙げられます。私は前職で社内報とイントラネットの主担当を約5年していましたが、いつも取り上げるネタを探していました。その経験から健康経営で取り組む内容は、十分広報ネタとして成立すると断言できます。
健康経営は、企業の目標達成に欠かせない存在である従業員のために導入された「経営方針」だからです。健康に長く職場で活躍してほしいという企業側の願いのこもった、共感しやすい経営戦略だからです。
20XX年度の売上目標は、、重点市場は、、といった記事より、取り上げ方次第で絶対におもしろくなり、読んでもらえます。(もちろん売上目標や重点市場は大事ですが…!)

せっかく健康経営推進を決めたのであれば、社内広報にも組み込むことで効率よく企業価値を向上していきましょう。今回はその方法についてお伝えします。

社内広報の目的

社内広報では、企業活動の重要な担い手である従業員とのコミュニケーションを通じて、以下のような目的達成を目指します。

【社内広報(エンプロイーリレーションズ)の目的】
1. 企業理念やビジョン、経営方針といった企業の価値観に対する理解を促進する
2. 企業と従業員間での信頼関係を構築し、エンゲージメントやモチベーションを高める
3. チームワーク、一体感の醸成

これらの目的を達成する手段のひとつに、健康経営は活用できそうですよね?
それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 企業理念やビジョン、経営方針といった企業の価値観に対する理解を促進する

事業活動を行う上で全従業員が理解しておくべきとされる「企業理念、ビジョン、経営方針」ですが、定めただけでは当然社内に浸透しません。社内広報はこれらの内容を、例えば社内報やイントラネット、掲示物等で繰り返し分かりやすく伝えることで、理解・浸透を図ります。
健康経営も働く人の健康に配慮した人的資本への投資、という経営方針です。社内広報の文脈にもすんなり馴染むテーマとして扱うことが可能です。

2. 企業と従業員間での信頼関係を構築し、エンゲージメントやモチベーションを高める

1を誠実に継続することで、自社についての理解が深まります。その結果、企業の社会的意義や自身の仕事の価値が認識でき、エンゲージメントやモチベーションの向上につながると考えられます。
健康経営のひとつの効果としてあるワークエンゲージメント(従業員が仕事に対してポジティブな感情を持ち、充実している状態)の向上とも連携します。

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3.チームワーク、一体感の醸成

企業が従業員に向けて繰り返しコミュニケーションを行うことで、企業一丸となって目標を達成するために必要なチームワーク、一体感の醸成を目指します。トップダウンに限らず、従業員の声を拾い上げるボトムアップ式のコミュニケーションも取り入れるなど、双方向で行うことが重要です。一方的なものはコミュニケーションではなく、単なる「伝達」でしかありません。
社長と若手社員の座談会の企画や、周年イベント、親睦会、クラブ活動などフォーマル、インフォーマル両方の多様なコミュニケーションの機会を設定します。

健康経営の推進に当たっては、運動機会の提供やヘルスリテラシー向上を目的とした勉強会、セミナーなどを通じて従業員同士のコミュニケーションの場を提供できます。健康経営でよく採用される「ウォーキングイベント」も、部門や拠点対抗で盛り上げる企業もあります。チームの結束力が試され、強化されるようですよ。

社内広報と健康経営の共通点

社内広報と健康経営の共通点が見えてきたのではないでしょうか?
両社とも、目指すものは同じです。企業存続のための「従業員に向けた取り組み」です。

企業の企業理念やビジョンを達成するために必要なのは、従業員がそれらを理解・共感していること。理解・共感してもらうために必要なのは、「丁寧なコミュニケーションと配慮」です。そのコミュニケーションと配慮の中に、健康経営は当てはまると私は思っています。

事業活動は基本的に終わりなく続いていきます。やるべきことはごまんとあり、社内広報の目的である「従業員と企業との関係性、信頼性を深める」も果てしない取り組みです。従業員は入れ替わりますし、信頼は小さなきっかけで失墜します。
従業員が心から企業活動に共感し、仕事に対してポジティブな感情で取り組んでもらえるよう企業ができることは、人事評価などの形式的なものだけではありません。社内広報のような継続したコミュニケーション活動や健康経営も、一人ひとりとの関係性を意識した響く取り組みです。ぜひ、社内広報と健康経営を効率よく掛け合わせながら推進し、強い組織の構築を目指してください。

【社外向けの広報についてはこちらの記事をご覧ください】
広報に活かす健康経営 ―社外編

広報に活かす健康経営

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